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2003年11月28日(金) 01時11分

<生活保護費>国庫負担率引き下げ、補助金削減へ毎日新聞

 厚生労働省は27日、地方税財源の「三位一体改革」に向け、新たに生活保護費と児童扶養手当の国庫負担率を引き下げ、約1900億円の補助金を削減する方針を固めた。いずれも削減分を一般財源化するなどし、地方自治体の負担割合を増やすことで支給額の抑制を図るとともに、母子家庭の母親の就労支援策などにつなげるのが狙いだ。

 低所得者への生活保護費や、所得の低い母子家庭に支給される児童扶養手当は増え続けており、03年度当初予算の国庫負担金は生活保護費が1兆4850億円、児童扶養手当は2558億円に達している。現行の国庫負担率はいずれも4分の3だが、両方とも3分の2に引き下げ、計約1900億円をカット。削減分を地方負担とする。

 厚労省は自治体が独自に母子家庭への就労支援や子育て支援に取り組むことを奨励し、地方分権を促す意向だ。

 三位一体の改革で、小泉純一郎首相は04年度予算編成段階での補助金1兆円削減を指示。厚労省には2430億〜2500億円分の削減が割り当てられた。

 同省はすでに市町村が高齢者介護の必要性を認定する事務費、介護保険事務交付金(約305億円)の廃止を決めているが、これに生活保護費と児童扶養手当の国庫負担割合を引き下げ、その他各部局にまたがる各種事務交付金約100億円などをカットすることで、2500億円分の「削減ノルマ」を達成する見通しになった。だが、同省の補助金削減は、国庫負担の一部を削る形にとどめ、補助金本体は温存している。【吉田啓志】(毎日新聞)

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20031128-00000071-mai-pol