2003年11月27日(木) 00時00分
「オレオレ詐欺」 県内でもご用心オレオレ詐欺防止へ新潟西署が作成したコンビニ用のチラシ(朝日新聞・)
高齢者に孫や息子をかたって金を振り込ませ、だまし取る「オレオレ詐欺」が県内でも多発している。今春から被害が出始め、10月末現在で届け出は94件(うち未遂9件)、被害総額は6千万円にのぼる。未然に防ごうと、金融機関は年配客に窓口で声をかけ、警察がチラシで注意を呼びかけている。が、「新潟の人はだましやすい」とは犯人。金を振り込む前に、まずはもう一度、本人確認を。
「私だけど」
10月30日の昼過ぎ。新潟市内の50代の女性宅に若い女の声で電話がかかってきた。
「事故を起こして相手の高級車の修理代を払わないといけないの。すぐに80万円振り込んで」
声が娘に似ているように感じ、動転した。
「携帯電話が壊れたから、振り込んだらこの電話番号に電話して」
女性は金額も大きいことから夫に相談。夫はおかしいと思い、娘の携帯に電話してみた。それでオレオレ詐欺とわかった。
■犯人は語る
これとは別件で、警察官がオレオレ詐欺と接触できた事例がある。10月末のことだ。
被害者から通報を受け、駆けつけた警察官が事情を聴いている最中に、犯人から電話がかかってきた。犯人は相手が警察官とは知らず、「犯行は複数でやっていて、電話帳を使って電話をかけまくる。口座はいろいろなところから回ってくる。最近は失敗することが多い。新潟の人が引っかかりやすいのは人情深いからだろうな」などと話したという。
警察庁のまとめだと、全国では今年1〜10月で被害届3807件(うち未遂1039件)、被害総額は22億6千万円にのぼる。県警によると、県内では被害が夏ごろ増え出した。
新潟西署は8月以降、被害の状況を細かく分析している。8月から11月13日現在で被害42件のうち、交通事故を装ったものが29件。借金返済を装ったものが4件。中には「会社で昇進するのに株を買う必要がある」と言って、100万円を求めた例もあり、被害額は計966万円にのぼる。
■チラシで注意
被害を防ぐため、県内のある地銀では、窓口で「もう一度ご本人に確認してみては」などと声をかけ、現金自動出入機(ATM)コーナーには注意を呼びかけるチラシを掲示している。こうした対策で、10月末までで水際で被害を食い止めた事例が数十件あるという。ただ、ATMの操作に慣れた人、相談がない場合、被害を未然に食い止めるのは難しい。
また、だます側も巧妙で金融機関が閉店している時間をねらい、人が手薄なコンビニのATMを使わせて金を振り込ませるケースもあり、首都圏で被害が出始めている。
県内ではこのケースはないが、新潟西署は警戒が必要と考え、コンビニ店にコンビニ店用にチラシをつくり、店員に声がけしてもらうよう協力を求めている。
県警では「お金を振り込んでしまう前にとにかく本人に確認して」と呼びかけている。
(11/27)
http://mytown.asahi.com/niigata/news01.asp?kiji=5222
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