2003年11月25日(火) 14時33分
「トトロの街」構想 「宮崎監督とは口約束」 代理人の弟会見し陳謝 市長が断念正式発表(西日本新聞)
福岡市の山崎広太郎市長は二十五日、人工島の住宅開発プロジェクトに、アニメ映画監督の宮崎駿氏(62)の名前とまちづくりイメージ図を使うことを断念した、と正式に発表した。市長と別に会見した宮崎監督の弟で代理人の宮崎至朗氏(57)は、宮崎監督の意向確認は口約束だけにとどまり、プロジェクトの発表方法についても「事前に監督の了解を得ていなかった」ことを初めて明らかにするとともに「市民をだました、といわれればその通りかもしれない。市、市民におわびする」と陳謝した。
至朗氏らによると、宮崎監督は昨年六月ごろ、市の要請を受け、イメージ図十三点を無償提供した。しかし、同年八月ごろから「民間で進める事業であり、採算性を考えると『理想の街』などできっこない」と語り、事業にかかわることをためらい始めた。
至朗氏は名前とイメージ図のみを使う約束を口頭で取り付けたが、最後に監督と会ったのは先月末で、プロジェクトの発表形態やイメージ図の使用方法など「細部は詰めていなかった」という。
また、福岡市住宅供給公社などは宮崎監督のイメージ図を基にした住宅開発の事業公募説明会を二十六日に予定していたが、一、二週間程度延期することを決めた。
福岡市は既に、宮崎監督の名前やイメージ図入りの構想冊子約二千部の作製を広告代理店に委託。九百部は完成していた。結果的に使えなくなるため、市港湾局は、損害賠償請求も含めて検討していることを示唆した。(西日本新聞)
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20031125-00000074-nnp-kyu