2003年11月21日(金) 21時31分
宿泊拒否問題 県がアイスター本社を聞き取り調査(熊本日日新聞)
阿蘇郡南小国町の「アイレディース宮殿黒川温泉ホテル」が国立ハンセン病療養所・菊池恵楓園(菊池郡合志町)の元患者らの宿泊を拒否した問題で、県は二十一日午後、ホテルを経営するアイスター(東京、西山栄一社長)本社で聞き取り調査をした。
熊本地方法務局と県が旅館業法(宿泊させる義務)違反の疑いで同日午前、ホテルの総支配人と同社を告発したのを受けた措置。県生活衛生課の職員二人が広報責任者らから、宿泊拒否に至る一連の対応への本社のかかわりや考え方を聞いた。同ホテルへの指導・監督に生かす。坂本正充課長は「事実関係を把握し、厳正に対処したい」と述べた。
西山社長は姿を見せず、聞き取り終了後、江口忠雄広報室長が告発に発展した事態に関し、「関係者に深くおわびしたい。法務省の勧告を真しに受け止め、社員への人権教育、啓発活動を徹底する。当局からの聴取や指導などにも協力したい」と述べた。
また、同室長は「ハンセン病に関し、初めて資料を読んで認識できた。一般社会ではまだ理解が広まっていないのではと感じた」と述べ、差別の意図がなかったことを強調。元患者側が本社の直接の謝罪を求めている点への対応は、未定とした。
同社は化粧品の訪問販売を柱に成長。グループ会社を含め従業員約四百八十人。ホテルは本社の直営。
http://kumanichi.com/news/local/main/200311/20031121000424.htm