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県警ではまだ犯人逮捕に至っていないが、警察庁によると無職の若者たちが複数のグループをつくり、電話をかける役、現金を引き出す役などと役割分担して全国各地へ電話しているらしく、県警は他都府県の警察と連携して捜査に乗り出す。同時に、被害防止を呼びかけている。
県内では昨年から被害が現れ、七月に十五件起きてから増え始めて、八月に二十四件、九月に三十二件、十月に三十七件となった。十月だけで被害額は約千九百二十万円に上った。被害者の大半が六十歳以上の高齢者で、女性が多いという。
手口は、電話に出た高齢者に「おれだよ、おれ」と話しかけて、離れて暮らす孫か息子と思い込ませる。緊急の用立てを泣きついて頼み、高齢者を慌てさせて数十万円の現金をだますパターンがほとんど。金を必要とする理由の九割が交通事故の示談金だったが、消費者金融への返済を理由に今年最高の被害額となった三百万円を送らせたり、妊娠中絶の手術費を理由にしたりしたケースもあった。
銀行口座への送金を頼む手口が被害の84%であることから、県警は金融機関に対して詐欺に使われた口座の凍結を依頼する。口座開設地のほとんどが東京周辺であることから、開設地の警察と連携して徹底捜査する。
被害のうち未遂も四十五件と多く、電話を取った高齢女性が「あんた“おれおれ詐欺”でしょう」と撃退したケースもあった。県警では「家族内で話題にして、高齢者に認識を高めてもらうことで、被害は簡単に防げるはず」と分析している。
全国的にも被害は増加中で、警察庁によると今年一−十月までに三千八百七件発生し、被害総額は二十二億六千万円に上った。 (八木 光世)
http://www.tokyo-np.co.jp/00/ach/20031121/lcl_____ach_____009.shtml