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日本テレビのプロデューサーによる視聴率買収問題で、番組を見るよう働きかけを受けた2世帯が19日、朝日新聞の取材に応じた。番組アンケートや機械の点検を装っており「買収」の巧妙さが初めて明らかになった。
2世帯は、関東地区在住の夫婦と、一人暮らしの男性。
夫婦は、00年4月ごろから約2年間、ビデオリサーチの調査世帯だった。01年ごろ、訪ねてきた男が、テレビ視聴の調査に協力を依頼。断ると、しばらくして、テレビを見てアンケートに答えて欲しいと電話があった。
承諾すると、特定の番組とその提供CMの印象などに関する質問が書かれた、A4のアンケート用紙1枚が郵送されてきた。番組が放送されるとすぐに男性から電話があり、質問に答えた。内容は覚えていないという。
この後、数カ月おきに2、3回依頼があり、アンケートに答えると、1回につき1万円分の商品券が送られてきた。調査協力の謝礼だと思っていたという。
一人暮らしの男性は02年春から調査世帯になった。契約後まもなく、ビデオリサーチの関連会社を名乗る女性が週末の昼ごろ訪れた。女性は「機械と実際の視聴とのタイミングが一致しているか調べたいので、この番組を見てもらえませんか」と日テレの番組をあげた。
その年の秋、この女性とスーツ姿の30代後半の男性が2人で来た。「機械の様子がみたい」というので部屋に入れた。機械の設置具合についていくつか質問され、帰りがけに「この番組を見てほしい」と番組名が書かれた紙と菓子折りを置いていった。
最後は今年7月ごろ、名前を名乗らない男性から電話で、その日放送される番組を見てほしいと依頼を受けた。
夫婦は「てっきりビデオリサーチの関係の会社かと思っていた。もうかかわりになりたくない。お金は返したい」という。また男性は「この番組を見ろといわれるのは不愉快だったが、ビデオリサーチだと思ったので、協力しましょうと答えた。番組は見ていない。こんなことになって迷惑だ」と話している。
日テレの「視聴率操作」調査委員会は18日、働きかけて承諾した世帯は合計6世帯と発表した。しかし、直接聞き取り調査をすることができず、具体的な働きかけの実態は報告書には書かれていない。
(11/20 08:20)