2003年11月19日(水) 14時44分
神戸大病院で乳児死亡、カテーテル挿入で心臓に穴?(読売新聞)
神戸大病院(横山光宏病院長)で今月、生後数か月の乳児が化学療法のため中心静脈カテーテルを挿入した3日後に循環不全で死亡したことが19日、明らかになった。
病院側は、カテーテルが心臓に穴を開けた可能性などを原因に挙げ、遺族に謝罪し、兵庫県警生田署に届け出た。同署は業務上過失致死の疑いもあるとみて、医師らから事情聴取を進める。同病院では10月初めにも薬剤投与ミスがあり、60歳代の女性患者が死亡したばかり。
病院によると、乳児は今月上旬、口中に悪性の腫瘍(しゅよう)が認められたため入院し、一部を切除した。その後の化学療法で、熟練した医師2人が右鎖骨の下の静脈からカテーテルを挿入し、薬剤を投与した。
ところが、乳児の脈が遅くなり、血圧も低下した。心マッサージなどでも回復しないため、開胸したところ、心臓内や周囲に血がたまり、右房壁に直径3ミリの穴が開いていることが判明。穴を縫合するなどの緊急手術を行ったが、乳児は3日後に死亡した。
乳児に心臓疾患はなく、病院は〈1〉カテーテル自体が心臓に穴を開けた〈2〉心マッサージでカテーテルが心臓を傷つけた〈3〉心マッサージが心臓を傷つけた——可能性を挙げている。挿入を担当した医師は「挿入時には明らかなミスはなかったと思う」と話している。
横山病院長は「心房に穴が開き、心臓の周囲に血がたまって循環不全を引き起こしたことが死因」と話し、「患者の冥福(めいふく)を祈るとともに、遺族に深くおわびする」と謝罪した。(読売新聞)
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20031119-00000304-yom-soci