2003年11月19日(水) 17時30分
MSも参入、乱戦が予想される音楽配信サービス(WIRED)
合法的なオンライン音楽サービス市場は、巨大ハイテク企業マイクロソフト社(ワシントン州レッドモンド)の参入により、これまで以上の混戦に突入しようとしている。
マイクロソフト社は、米アップルコンピュータ社や米ロキシオ社の『ナップスター』などと競合する音楽ダウンロードサービスを米国で来年立ち上げる計画だ。マイクロソフト社参入のニュースは17日(米国時間)、『ウォールストリート・ジャーナル』紙で報じられた。
マイクロソフト社は、同社の『MSN』サイトからこのようなサービスを提供する計画があることは認めているが、それ以上の詳細については言及を避けた。
マイクロソフト社の市場参入を予想していた業界アナリストたちは、急成長している新たなダウンロード音楽ビジネスが、マイクロソフト社の参入によって様変わりする可能性があると口を揃える。マイクロソフト社は、オペレーティング・システム(OS)市場で優位を占めるウィンドウズを強力な援軍として活用できるし、潤沢な資金を使って競合相手より安価なサービスを提供することも可能だろう。
さらに、マイクロソフト社のウィンドウズ・メディア・プレーヤー——コンピューター上で音楽や動画ファイルを再生するソフトウェア——はすでに普及しており、おそらく同社のオンライン音楽ストアの売上に貢献するよう作り変えられるだろう。
オンライン音楽ビジネスの活性化に貢献したアップル社は、4月に『iTunes(アイチューンズ)ミュージックストア』を立ち上げて以来、1曲当たり1ドルの価格で1700万曲以上を販売したと述べている。
iTuneミュージックストアのサービス開始以降、市場に参入した、あるいは参入を準備している競合サービスは2桁に達する勢いだ。市場参入が予想される企業は、米ウォルマート・ストアーズ社、ソニー、米デル社、米アマゾン・コム社など。
『インサイド・デジタル・メディア』を運営するフリーの業界アナリスト、フィル・リー氏は「今の(音楽ビジネスの)時代は、ゴールドラッシュのころのあらゆる特徴を再現している」と語る。
マイクロソフト社の株価は、ナスダックでの17日の取引で、35セント値を下げ25.15ドルで終了した。
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