2003年11月19日(水) 07時00分
ハンセン病元患者の宿泊拒否、熊本・黒川温泉のホテル(日経新聞)
ハンセン病元患者を対象に熊本県が実施する「ふるさと訪問事業」で、県が宿泊を依頼したアイレディース宮殿黒川温泉ホテル(同県南小国町)が「乳幼児など他の宿泊者に感染する恐れがある」として拒否。県は18日「感染の恐れはない。偏見に基づいた行為で人権侵害にあたる」として公表した。
ホテル側はあくまで拒否する考えで、県は同日、熊本地方法務局に事実を通報した。
同県によると、9月に約25人分の宿泊をホテルに依頼し、いったん承諾を得たが、11月になって県が、宿泊者は元患者らであることを伝えると、ホテルは一転して拒否。県が説得を続けたが応じなかった。
同日午後記者会見した同ホテルの前田篤子総支配人は「感染するしないの問題はわれわれは実際分からないが、社会一般に広く受け入れる認識や体制が整っていない状況で、サービス業を営む当ホテルとして受け入れることはできない」と語った。また「一般の宿泊客が100パーセント受け入れるか疑問」とも述べた。(07:00)
http://www.nikkei.co.jp/news/shakai/20031119AT3K1804M18112003.html