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2003年11月17日(月) 03時08分

<全信協>通帳盗難保険制度を導入へ 不正引き出し補償毎日新聞

 全国信用金庫協会(全信協、長野幸彦会長、314金庫)が共栄火災海上保険と共同で、盗難通帳による預金の不正引き出しを補償する「通帳盗難保険制度」を12月から始める。信金が保険料を負担し、窓口やATM(現金自動受払機)で、預金が不正に引き出された場合、保険金で預金者の被害額を一定程度カバーする。個々の金融機関が損保会社と特約を結ぶケースはあるが、業界あげての取り組みは初めて。金融界は通帳に届け出印を押す「副印鑑制度」の廃止を進めているが、不正を完全に防ぐことは難しく、全信協は保険制度で安全性と信頼性の向上を図る。

 保険の対象とするのは、普通口座と年金受給など特定口座の2種類。窓口かATM、あるいは両方で不正使用されて預金を引き出された場合、100万〜200万円を上限に、信金が選択した保険内容に応じて補償する。保険料は1万口座当たり年10万円程度で、信金側が負担する。通帳盗難保険制度は業界全体で取り組むが、制度導入は任意のため、地方などで加わらない信金が出ることもあり得る。

 預金の不正引き出しでは、金融機関側に支払い手続きの落ち度があったとして、利用客が集団訴訟を起こす動きが出ている。副印鑑制度の廃止も進んでいるが、副印鑑の残った古い通帳を手元に残す利用者もいるため、不正防止の決め手になっていない。

 全信協は「地域密着の業界のため、利用客とのトラブルは避けたい。業界全体で保険を始めることで、利用客に一定の安心感を持ってもらえれば」と話している。【後藤逸郎】(毎日新聞)

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20031117-00000064-mai-bus_all