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インフルエンザの流行期を控え、医療機関ごとに設定された予防接種料金の大きな格差について、接種希望者から疑問の声が上がっている。料金は1000円から5000円程度まで、約5倍の開きがある。この冬は新型肺炎SARSとの同時流行が懸念され、予防接種の急増が予想される。「料金の根拠を説明すべきだ」との指摘もある。
4歳と1歳の子どもがいるさいたま市の主婦松田理奈さん(35)は、家族で接種を受けようと思い、近所の複数の診療所に問い合わせると、どこも1人1回5000円と言われた。子どもは2回接種なので、夫を含めた4人で計3万円になる。しかし、隣の市では1回1500円のところがあると聞いた。「なぜこんなに差があるの?」と話す。
インフルエンザの予防接種費用は、65歳以上の高齢者らを除いて全額自己負担だ。医療保険がきかず、医療機関がそれぞれ料金を決めている。
多くの医療機関が、保険診療の計算法を参考にして接種料金を出している。ワクチンの仕入れ値は1本1000円から1800円程度で、これに初診料(病院2500円、診療所2700円)相当分などを加えると、4000円前後になる。6歳未満には720円の乳幼児加算の相当額が上乗せされる。
これらを加算しない医療機関もある。ワクチン1本(1ミリリットル)は13歳以上なら2人に、12歳までなら3〜5人に分けられるので、効率化で値段を下げられる。
水戸市の水戸協同病院は今年、「経済的負担を軽くしたい」と15歳までには1回1000円で実施。集中的に接種をし、ワクチンの無駄をなくしている。16歳以上は3000円。今期の3000人分はすでに予約で埋まった。
市民団体「医療消費者ネットワークMECON」代表世話人の清水とよ子さんは「5倍の差は大きすぎる。接種前の診察を十分にするなど、料金だけで決められない面もある。希望者は納得したうえで受けた方がいい」と話している。(11/16 10:07)