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大手消費者金融「武富士」元課長らによるジャーナリスト宅盗聴事件で、元課長の中川一博容疑者(42)=電気通信事業法違反容疑で逮捕=が警視庁の調べに、盗聴について武井保雄会長の名を挙げ「会長からの指示は絶対で、従わざるを得なかった」という趣旨の供述をしていることがわかった。違法行為との認識があったためか社内では盗聴のことを「耳の件」と表現していたという。警視庁は、盗聴が武富士社内で秘密事項として組織的に行われていた可能性もあるとみて調べる。
捜査2課や関係者によると、中川容疑者が盗聴にかかわったのは00年8月ごろからとされる。同年6月に専務で退社した小瀧國夫容疑者(61)=同法違反の幇助(ほうじょ)容疑で逮捕=から、別の社員を通じて重村和男容疑者(57)=同法違反容疑で逮捕=が営む「アーク横浜探偵局」など複数の調査会社のリストを渡されたという。
供述によると、中川容疑者はその後、ジャーナリストら6人の電話盗聴について武井会長から直接、電話や面談で指示されたという。ほかの社員に違法行為を知られないように盗聴のことを「耳の件」と呼んでいた。
盗聴を請け負った重村容疑者からは週に2、3回、盗聴内容を録音したテープが届けられた。
テープについて中川容疑者は、自らの業務上横領事件の公判で「本社11階にある会長室に持って行き、会長と2人で聞いた。内容を報告しただけのこともあった」と説明。また当時の心情については「会長からは『役員にしてやることはできないが、手当を出してやるからな』とも言われた。何が正しいかの判断がつかなくなり、自分の中で消化するしかないと思った」と証言していた。
武富士広報部は「武井会長も会社も、盗聴にはまったく関与していない」と話している。
(11/16 03:05)