悪のニュース記事

悪のニュース記事では、消費者問題、宗教問題、ネット事件に関する記事を収集しています。関連するニュースを見つけた方は、登録してください。

また、記事に対するコメントや追加情報を投稿することが出来ます。

記事登録
2003年11月15日(土) 16時35分

ヤミ金グループ、顧客管理システム作成者に多額謝礼金読売新聞

 指定暴力団山口組五菱会系のヤミ金融グループによる出資法違反事件で、顧客データ管理システムを作った水城憲二容疑者(41)の銀行口座に、今年2月までの約2年半の間で計187回にわたり、27すべてのグループ幹部らから総額8200万円に上る謝礼などが振り込まれていたことが15日、警視庁など合同捜査本部の調べでわかった。

 上部組織への上納などは痕跡が残らない現金だったが、水城容疑者への振り込み記録の分析から、合同捜査本部はグループの全体像を把握することができた。

 これまでの調べで、五菱会系のヤミ金融グループは、「AR」や「TO」など、幹部の名前の頭文字などにちなんで名付けられ、27あることが判明。それぞれが「センター」と呼ばれる顧客情報管理の拠点を持っていた。水城容疑者は2000年ごろから、センターのパソコンに組み込む顧客データ管理プログラムの開発やメンテナンスなどを手がけていた。

 水城容疑者は携帯電話で連絡を受けるたびに各センターに出向く“専属システムエンジニア”で、店長や従業員らから、東京・秋葉原の電気街にちなんで「アキバ先生」「アキバ君」などと呼ばれていた。パソコンは独学で習得したという。

 各グループ幹部は、水城容疑者を重宝し、修理などのたびに20—300万円を振り込んでいた。グループは稼いだ金の流れを捜査当局に把握されないよう、上納などはすべて現金だったが、水城容疑者への支払いだけは口座振り込みを利用しており、捜査本部では「システム担当にまでは捜査が及ばないと油断していたのではないか」としている。

 水城容疑者は巨額の報酬を手に、香港に逃亡していたが、最近になって帰国していたところを逮捕された。捜査本部は水城容疑者の関係先からパソコン2台とサーバー4台を押収しており、さらに解析を進める。

 ◆多重債務者データ蓄積…センターはヤミ金の心臓部◆

 水城容疑者のシステムを使った「センター」は、多重債務者のデータを各店舗から吸い上げて蓄積する「ヤミ金融の心臓部」だ。

 摘発された各センターからは、それぞれ数万—十数万件もの多重債務者のデータが見つかっている。債務者の自宅や勤務先、携帯電話の番号をはじめ、親類や知人の職業や連絡先、他のヤミ金融からの借り入れ状況、返済期限などの情報が事細かに集められていた。センターは、こうした個人情報をデータベース化。各店舗はそれを基に電話などで勧誘し、同時に個人情報をさらに聞き出してセンターに報告する。

 こうして債務者データはどんどん詳細になって蓄積される。データは返済日ごとに検索することが可能で、センターは返済期日が近づいた債務者の情報をグループ内の各店舗に流し、更なる貸し付けや取り立てに利用される仕組みだった。

 センターは警察に通報する恐れがある債務者は「K」、金を借りて逃げた客は詐欺を意味する「S」、弁護士に相談した者は「B」などとデータに符号を記し、貸し付けを停止するよう各店舗に指示していた。

 グループの元従業員は「全国の膨大な客を相手にしているため、効率的に貸して取り立てる必要があった。普通の企業より完成された顧客管理システムだったかもしれない」と話した。(読売新聞)

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20031115-00000005-yom-soci