2003年11月14日(金) 14時46分
ヤミ金の梶山被告、米で数百万ドル入出金(読売新聞)
指定暴力団山口組五菱会系のヤミ金融グループによる出資法違反事件で、最高責任者である梶山進被告(54)らがヤミ金融で不正に得た利益数百万ドルを、送金するなどして米国内で取引をしていた疑いが強いとして、米連邦捜査局(FBI)などが米連邦法のマネーロンダリング(資金洗浄)法違反容疑などで本格的な捜査に乗り出していたことが14日、わかった。
警視庁でも、すでに米国に捜査員を派遣して、情報提供の依頼をしており複数の米政府機関と連携して捜査を進める方針。
米国で捜査にかかわっているのは、FBIのほか、米国土安全保障省、カジノの運営を監視するネバダ州とばく規制委員会など。
米当局は、梶山被告が同州・ラスベガスの高級カジノホテルでVIP待遇を受けていたことから、犯罪収益をカジノにつぎ込んでいる疑いも高いとみて、今年春ごろから、カジノ経営者や同カジノ系列の日本事務所の関係者などから独自で情報収集を行っていた。
その結果、2002年春ごろから、カジノ顧客のためにホテル内に設けられた口座や、梶山被告が管理していたとみられるカリフォルニア州内の銀行口座に、計数百万ドルが入金されていたことが判明。頻繁に入出金が繰り返されていることも確認された。
米捜査当局では、今年8月から、警視庁と連携。同ホテルに対し、梶山被告関連の送金録や借用証などの関連財務書類の任意提出を求めているが、プライバシーの保護を理由に難色を示している。今後、米捜査当局がカジノへの強制捜査も視野に調べを進めるが、資金の流れの全容解明まで数か月はかかりそうだという。
一方、警視庁も今年夏ごろ、捜査員をラスベガスに派遣。米捜査当局の支援も得て、情報収集を行った。
米マネーロンダリング法では、ヤミ金融や詐欺など犯罪事件に絡んで得た不法な収益を金融機関などに預金後、それを引き出したり、その金で資産を購入したりした段階で違反となる。資金洗浄罪は懲役20年以下、または罰金約5000万円以下などが科せられるほか、国内外の資産も没収される。
米司法省によると、1994年から2001年の間に資金洗浄罪で起訴された被告のうち、約9割が有罪判決を受けた。
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警視庁などの合同捜査本部は13日、指定暴力団山口組五菱会系のヤミ金融グループ幹部の横山修一容疑者(33)を組織犯罪処罰法違反(犯罪収益等隠匿)の疑いで逮捕した。
調べによると、横山容疑者は、同グループ最高責任者梶山進被告(54)と共謀し、今年2月、ヤミ金融の店長らが両替するなどした米ドル紙幣計200万ドルを、米・ラスベガスの高級カジノホテルの関連企業名義の貸金庫に預けて、犯罪収益を隠匿した疑い。
梶山被告は、傘下の数百もの店舗を二十数グループに分け、それぞれを「7人衆」と呼ばれる最高幹部に支配させていたが、横山容疑者はその1人。(読売新聞)
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20031114-00000206-yom-soci