2003年11月14日(金) 11時52分
<武富士>盗聴容疑で元課長代理、ほう助で元専務ら逮捕 警視庁(毎日新聞)
消費者金融大手「武富士」(東京都新宿区)の元渉外部課長代理が横浜市内の調査会社に依頼して、フリージャーナリストの自宅の電話の通話内容を盗聴したとして刑事告訴された問題で、警視庁捜査2課と保安課は14日、千葉県船橋市印内3、元同社渉外部課長代理、中川一博被告(42)と調査会社社長ら3人の計4人を電気通信事業法違反容疑、香川県善通寺市金蔵寺町、元武富士専務、小滝国夫容疑者(61)を同法違反ほう助の容疑で逮捕し、同社本社などを家宅捜索した。
同社から内部資料を持ち出した業務上横領の罪で公判中の中川容疑者は「盗聴は武富士の武井保雄会長(73)の指示だった」と供述しており、警視庁は上層部の関与についても調べを進める。
ほかに逮捕されたのは▽横浜市南区西中町1、「アーク探偵事務所」社長、重村和男(57)▽同市神奈川区三ツ沢上町5、調査業、市川宣幸(36)▽同市西区花咲町5、同、橋本勝志(33)の3容疑者。
調べでは、中川容疑者から依頼を受けた重村容疑者は、00年12月14日から01年2月24日にかけ、同社に批判的な記事を書いてきたジャーナリストが当時住んでいた東京都世田谷区内の自宅の電話を盗聴し、通話内容を録音して通信の秘密を侵した疑い。また、小瀧容疑者は重村容疑者を中川容疑者に紹介して盗聴をほう助した疑い。
中川容疑者は逮捕後に開かれた6月の拘置理由開示の法廷で、「武井会長から指示され、電話盗聴した」などと陳述し、警視庁に盗聴テープ71本を提出していた。さらに別のジャーナリストと同社の元役員、元社員の計5人の電話盗聴も武井会長の指示に従い、実行していたと主張している。
これまでの取材に対し、武富士は「当社あるいは会長が盗聴を指示した事実は一切ない。逮捕された者が話していることは全く信用できないと考えている」と否定してきた。【立山清也、三木陽介】(毎日新聞)
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20031114-00001033-mai-soci