2003年11月14日(金) 12時41分
「武富士」の電話盗聴事件、元専務ら5人逮捕(読売新聞)
大手消費者金融「武富士」(東京都新宿区)がフリージャーナリスト宅などの電話を盗聴したとして告訴されていた問題で、警視庁捜査2課は14日、同社元課長、中川一博被告(42)(業務上横領罪で公判中)、横浜市の探偵事務所「アーク横浜探偵局」代表、重村和男容疑者(57)ら4人を電気通信事業法違反容疑(通信の秘密の侵害)で逮捕。同社の元専務、小滝国夫容疑者(61)を同ほう助の疑いで逮捕し、武富士本社などを家宅捜索した。
調べによると、中川被告ら4人は、2000年12月ごろから翌年2月ごろまで、東京都世田谷区内のジャーナリスト宅の電話回線に盗聴器を仕掛け、他人と通話した内容をテープに録音するなどした疑い。すでに同社を退職していた小滝容疑者は、中川被告に重村容疑者を紹介するなどして犯行を手助けした疑いが持たれている。
昨年9月に辞職した中川被告は当時、同社総務部で会社のトラブル処理業務に従事していた。盗聴の対象となったジャーナリストは、武富士に関する疑惑などを取材しており、中川被告は業務上横領事件の公判で、同社の武井保雄会長から「直接指示を受けて、自ら盗聴を探偵事務所に依頼していた」と証言していた。このため、盗聴されたとするジャーナリストや東京の弁護士グループなどが、同法違反で同社や武井会長を警視庁などに告訴、刑事告発していた。
中川被告はこれまでの警視庁の事情聴取でも、「武井会長の指示で探偵事務所に盗聴させていた」と供述するとともに、探偵事務所から受け取った盗聴内容を録音したカセットテープ計71本を任意提出していた。
これに対して武富士側は「告訴の内容は事実無根」などと反論していた。この日の逮捕について、武富士広報部は「コメントを差し控えたい」と話している。(読売新聞)
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20031114-00000004-yom-soci