2003年11月13日(木) 11時00分
Linux訴訟、さらにエスカレート--米SCOと米IBMの闘いが、召喚状の応酬へ発展(CNET Japan)
大きな注目を集めている米SCO Group対米IBMの、Linuxに関する知的所有権訴訟では、いま証人召喚状が飛び交っている。両社とも、自らの訴えをサポートする情報を第3者に求めているためだ。
SCOは12日(米国時間)、同社がユタ州の連邦地方裁判所に、あわせて6件の個人および組織に対する証人召喚を求めたと発表した。米Novellと、Linuxカーネル作者のLinus Torvalds、
Free Software Foundation のRichard Stallman、
米Open Source Development Labs の最高経営責任者(CEO)Stewart Cohen、Transmetaの法務部長
John Horsley などだ。
SCOの広報担当であるBlake Stowellは、召喚状の内容については知らないとしながらも、「いくつかの召喚請求が出されたことは知っている」と述べた。
いっぽうIBMでも、違法ソースコードをSCOに特定させるよう連邦判事に要求し、またSCOが召喚する企業とは別の4社を独自に証人として召喚するなど、Linux関連の知的所有権訴訟に対抗する努力をさらに広げている。
SCOは今年3月、Unixに含まれる企業秘密をIBMが不正にLinuxに取り込み、Linuxを「汚染した」として、同社を提訴していた。SCOはこれまでに、Linux 2.4および2.5カーネルのなかで、違法コードが含まれていると主張する合わせて591のファイルの名を挙げているが、これらの具体的な内容については、詳細を明らかにしていない。
IBMの召喚状は10月30日に、米BayStar Capital、独Deutsche Bank、米 Renaissance Ventures、米The Yankee Groupの4社に送られた。この4社は、SCOの主張は正当だと考えられる理由があるという立場を取っていた。IBMは、Deutsche Bankのアナリスト、Brian SkibaがSCO本社を訪問し、「Linux 2.4カーネルと(SCOの)Unix System Vカーネルのソースコードが酷似している」のを見たと報じた、「Salt Lake Tribune」紙の10月16日付の記事を引用している。BayStar Capitalは10月に、SCOに5000万ドルを投資している。
IBMはCNET News.comに宛てた声明のなかで、次のように述べている。「SCOは、いい加減に、何か意味あるものを見せねばならない。彼らはわざとぐずぐずしており、どんな動機から法廷で争おうとしているのかがはっきりしない」。IBMでは、11月3日および6日に、「SCOに、IBMの質問に具体的かつ詳細に答えるよう要求する、裁判所命令」を出すよう、法廷に求めている。
SCOのStowellは、IBMの求めに応じて、同社が約100万ページに及ぶ文書を提出していると語り、またIBMの召喚状に関しては「連中は、ゆすりと脅しという手を使おうとしている」と言及。「私の考えでは、IBMが狙っているのは、我が社への出資を検討している投資家や、ほんのわずかでもSCOに有利に聞こえる事柄を口にしたアナリストに対し、『(IBMは)お前らを召喚するぞ』というメッセージを暗に伝えることだ」(Stowell)
関連記事:
米SCO:「GPLは米国憲法違反だ」 - 2003年10月29日
米SCO、VCから5000万ドルの資金調達 - 2003年10月17日
Linux戦争-- 米IBM、SCO反訴の内容を拡大 - 2003年9月29日
「米SCOの『決定的証拠』は裏目に出る」とリーナス - 2003年8月21日
とうとうビッグブルーが動いた--米IBM、米SCOを訴える - 2003年8月8日
SCO、IBMへの賠償請求額を3倍に:L・トーバルズを名指しで非難も - 2003年6月17日
この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。
海外CNET Networksの記事へ
■CNET Japanニューズレター(無料)
国内外のIT関連ニュースやコラムの新着情報を毎日お届けします。お申し込みはこちら。
[CNET Japan]
http://japan.cnet.com/ (CNET Japan)
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20031113-00000002-cnet-sci