2003年11月09日(日) 07時53分

＜りそな銀行＞個人保証免除の融資開始　中小企業向け（毎日新聞）

　りそな銀行は８日、今月下旬から国内の金融機関として初めて、経営者の個人保証を免除した中小企業向け融資を開始することを明らかにした。

　金利は個人保証をつけた場合より０．５〜１．７５％高く設定する。新規融資だけでなく、既存の中小企業向け融資約４万件のうち３分の２に当たる、経営が順調な企業向け融資の借り換えも可能にする。個人保証を免除することで、事業を起こしたり、転業や廃業に踏み出しやすい環境を作り、産業構造転換を促進することも狙っている。

　りそなでは、個人保証を免除するかどうかの決定は、融資先への独自の信用格付けをもとに実施する。免除した場合は、格付けや業種ごとの過去の中小企業融資の回収実績からリスクを分析して金利を上乗せする。融資の上限は支店長が融資決定権を持つ２０億円。原則は担保をつけるが、一部は無担保融資にも適用する。

　りそなの中小企業向け融資の約９割は、企業の資産を担保にしたうえで、倒産した場合は、自宅などの経営者の資産を提供する「個人保証」を求めてきた。しかし、実際に倒産した場合、経営者の個人資産を処分しても全額回収に満たないことが多かった。このため、りそなは個人保証を免除して上乗せ金利を取る方が、収益力が高まるうえ、中小企業融資拡大にもつながると判断した。

　個人保証は、事実上、無限責任となっており、日本では倒産した経営者の再起率が米国の３分の１程度に低迷している原因とされてきた。【後藤逸郎】（毎日新聞）

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20031109-00000089-mai-bus_all