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9日投票される総選挙で、投票終了時刻を繰り上げる自治体が増えている。総務省のまとめでは、全国5万3000余の投票所のうち、午後8時までという規定より早めに投票を終えるところが2割に上る。数で言えば、前回総選挙の2倍以上だ。投票率の高い郡部に多く、「夜間に足を運ぶ人は少ない」というのが主な理由。投票結果にどう影響するのか。全国で即日開票される。
かつては「午後6時まで」だった選挙の投票終了時刻は、公職選挙法の改正で98年6月から「8時まで」に2時間延長された。例外として、投票に支障がないと認められる特別の事情があれば、市町村選管の判断で4時間以内の繰り上げができるとされている。
総務省によると、各都道府県で、全投票所に占める繰り上げ投票所の割合が最も高いのは鹿児島で90%を占める。次いで高知(68%)、岩手(65%)、秋田(63%)、福島(61%)。
岩手では、県内58市町村のうち48市町村が1〜3時間繰り上げる。前回は9市町村だけだった。
市内26カ所の投票所すべてを午後6時に閉める遠野市の担当者は「田畑へひと仕事に出かける前、投票を済ませるのが今でも習わしになっている。夜7時を回ると商店のシャッターも下り、出かける人はいない」。
市内の有権者は約2万2500人。午後6時に繰り上げた今春の市議選で、午後5時から6時に投票したのは12人しかいなかったという。
全12カ所の投票所を午後6時に閉める雫石町は、有権者へのアンケートで同意を得られたことを理由にしている。
福島県は、90市町村のうち76町村が全投票所で繰り上げる。前回の15町村から大幅に増えた。そんな中、今春の県議選で午後6時に終了した飯舘村は、今回の総選挙は繰り上げを見送り午後8時までとした。
村の担当者は「どこも繰り上げが当然という雰囲気になっているが、少しでも投票できる機会を増やしたい」という。
首都圏では、投票時間を繰り上げるところはほとんどない。東京、神奈川、千葉の1都2県は全投票所で午後8時まで実施する。
埼玉県では5町村が、1〜3時間繰り上げる。いずれも山間部だ。
吉田町では、投票終了時刻を午後7時と、1時間繰り上げる。同町選管は「ほとんど夕方6時ぐらいまでに投票が終わってしまう」という。
荒川村は先月の参院補選から午後7時までとした。担当者は「人件費の節減にもなり、投票率には大きな影響はないと判断した」という。
<小林良彰・慶応大教授(政治学)の話>
都市部を中心に、遅くまで投票できれば投票率が上がる効果があり、むやみに繰り上げるのは好ましくない。選管によっては開票終了時刻の競争意識もあり、できるだけ投票時間を短くしたいのだろう。小選挙区比例代表並立制で開票事務が複雑になっており、電子投票の導入を本格的に進めるべきではないか。(11/08 12:48)