2003年11月07日(金) 00時11分
<医療過誤>胃がん見落とし、男性死亡 新潟の病院謝罪(毎日新聞)
新潟県上越市の新潟県立中央病院で、神経内科の男性医師が、同市内の60代の男性患者の胃がんを見落としたうえ、病理検査の結果確認を怠り、男性が死亡していたことが6日、分かった。誤診に病院関係者の連携ミスが重なった医療過誤で、阿部惇院長は「正確に診断すれば、80%以上の確率で完治できた。心からおわびする」と謝罪した。
同病院によると、男性は98年11月に入院し、内視鏡検査を受けたが、主治医はコンピューター断層撮影の結果などから、「神経系の難病」と診断。実際は初期の胃がんもあったが、見逃した。
さらに同月、病理検査でがんと判明したにもかかわらず、結果報告書が退院者用のカルテに収められていたため、主治医が確認できなかった。また、内視鏡による検査結果報告書にも、ほかの医師ががんを示す数字を記入したが、文字が不鮮明で主治医が認識できなかったという。
男性は01年1月に胃痛を訴えて緊急入院し、誤診やカルテの見落としが発覚した。2度の手術を受けたが、男性は今年1月、胃がんで死亡した。
病院側はミスと死亡との因果関係を認め、遺族との間で近く示談が成立するという。【作田総輝】(毎日新聞)
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20031107-00000064-mai-soci