2003年11月07日(金) 09時25分
国連がWeb放送条約承認、一部で異論も(ZDNet)
国連の委員会で11月5日、世界初のWeb放送条約が承認されたが、これは公有財産に属する作品の利用を制限するものだとの批判が巻き起こっている。
世界知的所有権機関(WIPO)の著作権および関連権利に関する常任委員会はジュネーブで開いた会合で、2004年4月1日までに条約の草案を準備することで合意した。2度目の会合は6月に予定され、その後開かれる外交会議でWIPO加盟国が最終的な条約に調印する運び。
この条約は米政府が提案し、米Yahoo!や米Digital Media Associationなど米国のWeb放送局が支援。こうしたWeb放送局は一般に、テレビやラジオ放送局と同じレベルの国際的な知的財産権保護の適用を求めている。Web放送に関する項目は、「Protection of the Rights of Broadcasting Organizations」と題した広範にわたる提案の一部。
市民運動化ラルフ・ネイダー氏の関連団体Consumer Project on Technologyの職員ジェイミー・ラブ氏は、今回の条約は公有財産に属する作品に、Web放送という新たな規制を設けるものであるという点で懸念されると話す。
言い換えれば、著作権が適用されない素材(例えば政府が作成した文書や非常に古い映画、音楽など)をWeb放送を通じて視聴する場合、そのコンテンツを自由に保存したり再配信することは認められない可能性がある。
一部の国ではスポーツの試合も公有財産と見なしているが、今回の条約は、Web放送局とテレビ放送局の両方に、再配信を阻止する権限を与えるものだとラブ氏は指摘。「放送局はこれを、著作権のない情報に対する権利を拡大する手段と見なしている」と話している。(ZDNet)
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20031107-00000006-zdn-sci