2003年11月06日(木) 19時33分
「契約の適正化」を明記へ=消費者基本法改正で基本方針−内閣府(時事通信)
内閣府は6日、消費者行政の根幹となる消費者保護基本法の改正に向けた基本的な方針をまとめ、国民生活審議会(首相の諮問機関)消費者政策部会に報告した。消費者と事業者(企業)間の契約・解約をめぐるトラブルが絶えない現状を踏まえ、行政の役割に関する規定に「消費者契約の適正化」を新たに明記。具体的な対応として、(1)広告・表示の適正化(2)事業者の情報提供、勧誘行為の適正化(3)契約条項の公正確保−に取り組む方針を示した。同法の抜本改正は、1968年の制定以来初めて
改正法では、現行法に規定がない「基本理念」を追加。この中で、消費者の位置付けを従来の「保護される者」から、「自立した主体」に転換することを明記し、行政の基本的役割として、消費者が自立できる環境の整備や、消費者権利の確保への取り組みをなど明示する。
事業者の責務に関しては、消費者が必要とする情報の明確で平易な提供や、経営のコンプライアンス(法令順守)強化に向けた自主行動基準の策定・公表を求める。さらに、消費者に対する不適切な取引・勧誘の防止策では、消費者の知識・経験などへの配慮を事業者に求める。
基本法改正は消費者を取り巻く経済情勢の変化を踏まえ、同審議会が5月にまとめた21世紀の消費者政策に関する報告書の中で提言していた。内閣府は来年の通常国会での法改正に向け、与党との調整進める方針。(了)(時事通信)
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20031106-00000353-jij-pol