2003年11月06日(木) 11時48分
アニメ声優360人、ビデオ化の「声」使用料で勝訴(読売新聞)
声の使用料の支払いを求めた訴訟で全面勝訴し記者会見する声優の野沢雅子さんら原告団
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テレビアニメの声優約360人が、「ちびまる子ちゃん」などアニメのビデオ販売に伴って追加報酬が支払われないのは契約違反だとして、映像製作大手の日本アニメーション(東京都中央区)と、子会社の音響映像システム(港区)に計約8700万円の支払いを求めた訴訟の判決が6日、東京地裁であった。
滝沢孝臣裁判長は「劇場公開の場合には追加報酬が支払われてきた経過からすると、ビデオ化の際も支払い義務がある」と指摘し、システム社に請求全額の支払いを命じた。日本アニメーションへの請求は棄却した。
訴えていたのは、日本俳優連合(日俳連、港区)に加入している声優で、「ゲゲゲの鬼太郎」の鬼太郎役などで知られる野沢雅子さんや、「魔法使いサリー」のパパ役を務めた内海賢二さんら。
判決によると、日俳連は1981年10月、システム社が加盟する日本音声製作者連盟との間で出演条件を定めた協約を結び、作品を目的外使用する場合には声優に使用料を支払うことを決めた。しかし、アニメーション社が製作し、システム社が音声を担当したテレビアニメ31本がビデオ化された際、使用料が支払われなかった。
判決は、「ビデオ化も協約の『目的外使用』に含まれる」と認定し、「目的外使用とは再放送を想定しており、ビデオ化については協約は無効」とするシステム社側の主張を退けた。
一方、アニメーション社への請求については、「声優への報酬支払いは、音声製作会社に責任がある」として認めなかった。(読売新聞)
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20031106-00000103-yom-soci