2003年11月06日(木) 05時29分
年代によって異なる電車の中の過ごし方(japan.internet.com)
ネットリサーチにおいて、近年、新しいジャンルが登場しているように思う。従来、マーケティングリサーチというと商品の購買行動や実態調査が多かったが、特定の“場”をテーマにし、コンセプトのヒントにしようとする調査が増えている。
このような調査が増えている背景には大きく3つ考えられる。
1.ネットリサーチの手軽さ
従来、こうした直接購買に関わらない情報は2次データに頼ることが多かったが、ネットサーチで手軽に調査をかけられるようになったことから、企業は独自の視点から消費者像を描きだし、目指す方向性を探ろうとしている。
2.シチュエーションの重要性の増大
消費者が「いい・悪い」といった知覚的なものよりも、「その場の雰囲気」といった感覚的なものに惹かれる比重が高くなっており、今まで以上に“場”の重要性が増している。
3.モバイル・携帯端末による消費者の情報空間の拡大
モバイル・携帯端末によって、「気軽に・いつでも・どこでも」情報を入手できることになったため、消費者の時間の過ごし方や情報収集の方法が大きく変わってきている。
では、具体的に“場”のリサーチとはどのようなものなのか。今回は「電車の中の時間の過ごし方」をテーマに考えてみたい。
年代によって異なる電車の中の時間の過ごし方
電車の中を眺めてみると、様々な時間の過ごし方をしていることがわかる。睡眠時間に費やしている人、外を眺めている人、携帯でメールをしている人などだ。
今回、ネットリサーチで調査を行い、286サンプルに「電車に関する時間の過ごし方」を聞いた。その結果、時間の過ごし方が年代によって、異なっていることがわかった。
全体では「寝る」が54.9%と最も高く、「本を読む」が53.8%、「中刷り広告を読むが」が46.2%と続いた。
10代・20代は「携帯電話・PHS でメールをする」がそれぞれ53.1%、63.7%と高かった。10代で「音楽を聞く」が48.4%、「ゲームをする」が17.2%と他の世代に比べ高く、電車の中でありながら、自分の空間を創り出している様子が伺えた。
また、新聞は年代ごとに10代から50代にかけて閲読率が減っており、本を読む人も10代〜30代が約4割、40代・50代が約5割と活字に対する年代の違いがみられた。
電車という移動空間は、目的をもたない「すき間の時間」であり、様々な生活者像を映し出す。逆に言えば、世相を如実に反映する。
「場」を切り口にしたリサーチをすることで、新しい生活者像を発見し、次なるヒット商品のヒントが得られるかもしれない。
【調査概要】
調査タイトル:電車の中の過ごし方に関する調査
調査対象:マクロミルモニター
サンプル数:286サンプル
調査日時:2003/10/31 〜 2003/11/04
調査機関 :
株式会社マクロミル
(執筆:市原泰彦、監修:福羽 泰紀)
記事提供:
マクロミル
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