2003年11月05日(水) 10時25分
<配当未払い問題>「奨学生になれば配当」(琉球新報)
同社が提携を結んだとされる米国の通信制大学のパンフレットなどの資料
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健康食品販売を名目に多額の出資金を集めた東京の会社が一方的に事業を清算し会員への配当を停止している問題で、優先的に未払いの配当金を支払う制度を設け、同社が新たに打ち出した事業に継続参加を募っていることが4日、関係者の話で明らかになった。配当の原資について同社は「業務提携を結んだ米国の大学の奨学金を充当する」と不可解な説明をしていることも判明。奨学金制度を本来の目的と異なる「配当」に流用する上、結果的に新規事業への参加者が優遇されることに、会員から疑問の声が広がっている。
関係者によると、同社は「健康食品」「天然塩と水の販売」など、わずか数か月間に次々と事業を展開したが、10月までに健康食品、天然塩の2事業を完全に清算。12月1日から未払い金を支払うという内容の文書を会員に送付した。
さらに、同社は現在も継続している英語教材販売事業への継続参加を呼び掛ける一方、9月までに米国カリフォルニア州の通信制大学と業務提携を結び日本事務局を開設。同大学の奨学生になれば奨学金支給名目で未払い金を支払う-との新たな優遇制度を提示していた。
英語教材販売事業について、同社は30万円から200万円まで4種の教材を準備。1セットにつき20%-30%の紹介料を受け取ることができるとしている。
同社は英語教材販売事業への移行後1か月内には入金するとしていることから、現在、参加者らは実際に支払いが行われるのか社の動向を慎重に見守っている。
同社は9月28日に県内で約800人を集め、同大学の沖縄事務局開設記念式典を開催。その中で奨学金制度の説明会も行った。式典直前まで中央の大物政治家が来賓として参加すると会員に伝えていたが、実際にはこの政治家は参加せず、配布された資料は同社がすべて回収したという。
同社は本紙の取材に対し、「年内に未払い金を支払うため忙しい。会員の来社も遠慮してもらっているのに、マスコミの取材には応じられない」と具体的な状況説明を拒否している。(琉球新報)
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20031105-00000013-ryu-oki