2003年11月05日(水) 21時19分
BSE感染判定 「食卓に上ることない」 県など、冷静な対応呼び掛け /広島(毎日新聞)
福山市で肥育され、福山市食肉センターで処理された去勢牛(1歳9カ月)が4日、国の専門家会議で、国内9頭目のBSE(牛海綿状脳症)感染牛と判定された。これまでの確認例は和歌山が最も西で、中国地方以西では初めて。突然の知らせに、県内の酪農関係者は驚きを隠さないが、県や市は「全頭検査をしており、今後も感染牛が食卓に上ることはない」と住民に冷静な対応を呼び掛けている。
福山市ではまず、岡田昭二・農林部長、田中知徳・保健所長らが4日午後0時半から市役所で緊急記者会見し、市食肉センター(福山市御幸町中津原)の食肉衛生検査所で実施した1次検査(エライザ法)で、陽性と判定されたことなど、これまでの経緯を明らかにした。
肉が処理された29日、2回の検査で陽性が最終確認されたのは午後7時40分で、すぐに国や県に連絡したという。
解体された感染牛のうち、食べられない部分は既に焼却処分しており、枝肉や内臓など食べられる部分も今後、焼却処分される。
専門家会議で感染が確認された後、三好章市長は「今後とも検査を厳格に実施し、食肉の安全確保を図るので、冷静に受け止めてほしい」とのコメントを発表した。
福山市によると、県内には、BSEの1次検査をする食肉衛生検査所が広島、福山、三次3市にあり、01年10月の全頭検査開始から、3万9220頭(10月末現在)を検査している。
県によると、今年2月1日現在で、県内に畜産農家は約1900戸あり、県北部を中心に乳牛1万2416頭、肉牛3万812頭を飼育。飼養頭数は、全国27番目。
県東部約80軒の酪農家でつくる県酪農業協同組合東部支所は「感染肉が消費者の口に入ることはないが、風評被害が怖い。牛乳まで悪印象を持たれるのでないか」と不安を見せる。【熊谷仁志、竹内良和、久木田照子】(毎日新聞)
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20031105-00000004-mai-l34