2003年11月04日(火) 22時40分
事業者と住民らトラブル 長岡京の宅地造成問題(京都新聞)
造成地へ向かうダンプ(長岡京市泉が丘)
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工事の進め方をめぐって近隣の一部住民と事業者が3年来、対立していた京都府長岡京市下海印寺の宅地造成地で4日、事業者側が土砂搬出用にダンプカーを工事予定地に入れようとしたことから、住民約40人が作業を止めるよう現地で申し入れる騒ぎがあった。事業者は要請に沿って作業を中止。同市役所の仲介で住民と事業者が話し合い、今後、具体的な安全面や生活環境への対策について協議の場を持つことを確認。事業者側は5日から作業を再開することを伝えた。
現場は同市泉が丘の住宅地西側に広がる約5000平方メートル。2000年秋に最初の宅地造成が計画され、自治会などに対する地元説明会も開かれたが、自治会に加入していない世帯の住民から土砂の搬出経路などをめぐり異論が出た。その後、市を交えて住民との意見交換の場を設け、01年秋、この非加入世帯の住民たちと住宅地内を通らない仮設道路の設置を主な内容とする新たな協定書が結ばれた。しかし、仮設道路が作られないまま工事は中断し今夏、京都市南区の新たな業者が土地と開発許可を引き継いでいた。
この日、土砂の搬出を行おうとしたのはこの新たな業者。この業者は9月下旬に同市開田の市産業文化会館で開発計画について説明会を開き、警備員の配置や通過経路の複数化など安全対策も提示。10月にかけて工事用車両による被害が出た場合に備えて家屋調査も進め、今月2日に「4日から造成地内の残土の搬出作業を始める」と近隣世帯に通知していた。
一方、自治会非加入の住民らは、新たな業者に対しても従来の協定書に沿って工事を行うよう求め、「話し合いの場は行政を交えたところで」と主張。市のまちづくり条例に基づく建築紛争調整を10月17日、市に申し立てていた。しかし、提出書類の不備などを理由に受理されておらず、書類を改めたうえで再度、紛争調整を求める構えで、住民側は「調停が済むまでは工事を行わないでほしい」としていた。(京都新聞)
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20031104-00000095-kyt-l26