2003年10月31日(金) 20時43分
カラオケの第一興商、歌謡曲独占で公取委から排除勧告(読売新聞)
業務用カラオケ機器の最大手「第一興商」(東京都品川区)が、子会社のレコード制作会社が独占的に権利を持っている歌謡曲をライバル関係のカラオケ機器会社に利用させないようにしていたとして、公正取引委員会は31日、独禁法違反(不公正な取引方法)で排除勧告した。
公取委によると、同社は2001年12月以降、子会社が独占的に録音などの権利を持つ「管理楽曲」67曲について、ライバル会社に「今後の使用を認めない」とする通知を出したり、機器の卸業者や飲食店、カラオケボックス店に対して、同様の連絡を行ったりするなどしていた。
問題の管理楽曲には、美川憲一さんのヒット曲「新潟ブルース」、千昌夫さんの「星影のワルツ」などが含まれていた。
実際には、飲食店などでこの通知は実行されておらず、公取委が立ち入り検査を行った昨年10月以降、同社の子会社はライバル会社がこれらの管理楽曲を使うことを認めている。
しかし、公取委では、卸業者などへの周知が不徹底なため、現在でもライバル会社のカラオケ機器を買い控えるなどの被害があるとみている。
第一興商では、「勧告に示された見解は不本意だが、内容を精査し、対応を検討したい」と話している。
◆管理楽曲=1971年の著作権法の施行前に、レコード制作会社が作者から録音などの権利を独占的に付与された曲の呼称で、3200曲あるとされる。カラオケに使用する場合、権利を持つ制作会社などから承諾を受けることが慣例になっている。(読売新聞)
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20031031-00000212-yom-soci