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2003年10月31日(金) 22時57分

<オウム>松本被告の沈黙に、被害者ら怒りと失望毎日新聞

 初公判から約1292時間かけた審理の最後になっても、かつての「教祖」は口を閉ざしたままだった。31日に東京地裁で結審したオウム真理教(アーレフに改称)の松本智津夫(麻原彰晃)被告(48)公判。「真相を明らかにしてほしかったが、全く誠意がない」。事件と向き合おうとしなかった松本被告に、怒りと失望の声が上がった。

 ■最後まで沈黙

 午後3時58分。小川正持裁判長が陳述台の前の松本被告に告げた。「これで審理を終えます。最後に述べておきたいことがあったら述べてください」。左肩をやや下げ、放心したような表情の横顔が傍聴席から見える。「これが最後の機会」と小川裁判長。しかし全く反応せず、立ち尽くしたままだ。午後4時1分。裁判長があきらめたように「述べませんか……」とつぶやき、「これで審理を終了します」と宣告した。公判回数256回に及ぶ攻防のあっけない幕切れだった。

 それに先立つ最終弁論。渡辺脩弁護団長は「『被告が黙っているので事件の真相がさっぱり分からない』という議論は間違っている。被告には沈黙する権利がある」と擁護して結んだ。閉廷後の会見では、控訴審がある場合には「僕は(弁護を)引き受けない。新しい目で事件を見た方がいい」とも語った。

 ■「一日も早く」

 「10年近くずっと裁判の結果を待ち続けてきた。やっとここまで来た」。95年3月の地下鉄サリン事件で夫を亡くした高橋シズエさん(56)は結審後に会見した。高橋さんは「発言すべき時に発言せず、発言してはいけない時に英語交じりで証人の邪魔をしたり……。これが裁判を受ける被告の態度か、と強く感じた」と話した。他の遺族や被害者の声も紹介した。「ただ死刑にするだけでは無念さは晴れない」「人生が変わり、とても悔しい。一日も早い死刑判決を望む」——。さまざまな思いが寄せられていた。【森本英彦、渡辺暖、清水健二】(毎日新聞)

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20031101-00000079-mai-soci