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2003年10月31日(金) 17時42分

成年後見法学会設立へ 問題研究し、利用促進を共同通信

 痴ほう性高齢者や知的障害者など判断能力が不十分な人を保護し、支援する成年後見制度の改善を目指す法律、医療、福祉などの専門家が連携して11月2日、「日本成年後見法学会」を設立する。
 同制度は2000年4月、高齢社会を支える車の両輪として介護保険と同時に施行された。しかし、介護保険の利用者が約280万人に上るのに対し、成年後見制度は約2万5000人にとどまっているという。学会設立は問題点を研究し、利用促進を図るのが狙い。
 設立に先立って実施した医師の調査で、8割が医療行為に対する同意を患者本人から得るのに困った経験があることが分かった。意思が明確でないため、インフルエンザの予防接種に対する助成が受けられなかった例も報告されているという。
 設立発起人代表の新井誠筑波大大学院教授は「本人に代わって後見人が医療行為に同意することは認められておらず、身寄りのない高齢者は適切な医療を受けられないこともあり得るのが実情。実践の場にいる人から問題提起してもらい、あるべき姿を考えていきたい」と強調した。連絡先は同学会設立準備委員会事務局、電話03(5351)1571。(共同通信)

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20031031-00000109-kyodo-soci