2003年10月30日(木) 22時01分
「故村井幹部らの独断」と主張=松本サリンなどで弁護側−オウム公判31日に結審(時事通信)
13事件の殺人罪などに問われ、オウム真理教元代表松本智津夫(麻原彰晃)被告(48)の弁護側最終弁論は30日午後も東京地裁(小川正持裁判長)で続き、個別事件の主張に入った。弁護団は松本サリン、弁護士一家殺害で「故村井秀夫幹部らが独断でやった」などの主張を展開した。これに対し、検察は「松本被告が首謀した」として死刑を求刑している。
弁護団は松本事件について「村井幹部が提案し、拒否されても独断で実行した」と主張。同被告の指示を認めた中川智正被告(41)=1審死刑=の証言は「虚偽」と退け、「鑑定は疑問」として「サリンが散布されたか疑わしい」と主張した。
一家殺害も「村井幹部らの暴走」と位置付け、「被告は謀議に参加せず、指示もしていない」と陳述。「電話で殺害を指示された」とする早川紀代秀被告(54)=1審死刑で控訴=の証言については「あり得ない話」とした。坂本堤弁護士の活動に対しても「弟子は怒ったが、被告は冷静で動機がない」と述べた。落田さん殺害も「素手で首を絞めれば帰すと指示したが、失神後に生き返らせればいいと考えた」として、殺害指示を否定。「視覚障害で殺害状況の把握は困難だった」と訴えた。田口さん殺害でも「村井幹部が殺してくれと頼まれ、殺害した」と主張。滝本弁護士襲撃は「魔法(サリンの隠語)を使うと指示したが、少量たらすだけで殺意はなく、致死性もないと考えていた」と述べた。自動小銃密造やサリンプラント建設も指示を否定した。
31日は地下鉄サリンなど残り6事件の弁論を行い、午後に結審する。 (時事通信)
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