2003年10月28日(火) 00時00分

保証金返還請求を棄却　撚糸工連訴訟（朝日新聞・）

　糸によりをかける業者の全国組織「日本撚糸（ねんし）工業組合連合会（撚糸工連）」（東京）に預けた保証金計約１９５０万円が返されないのは不当だとして、県内の元撚糸業者６人が払い戻しを求めた訴訟の判決が２７日、金沢地裁であった。井戸謙一裁判長は「返せなくなった原因は、予想外の低金利が長期間続いたためで、撚糸工連の計画が合理性を欠いていたとは言えない」と述べ、訴えを棄却した。

　判決などによると、撚糸工連は８５年、過剰生産対策として生産設備の共同廃棄を計画。中小企業総合事業団から借りた資金で組合員の設備を買い上げ、その代金の１割を保証金として預かった。保証金の運用益で借金を返済し、１６年後には保証金も返す計画だった。しかし、金利の低下などで運用益を確保できず、保証金を返済に充てた。

　判決は「契約書には、借入金を返せない時は保証金を充てるという条項があった。商人である原告らは保証金が返ってこないリスクを認識していたはずだ」と指摘。「説明が不十分だった」という原告の主張を退けた。
（10/28）

http://mytown.asahi.com/ishikawa/news02.asp?kiji=5924