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これまでの公職選挙法ではネットはおろか、選挙運動期間中の文書配布も厳しく制限されてきた。資金力や動員力のある候補者が一方的に有利になるのを防ぐためだ。
半面、有権者が正しい選択をするためには、文書やその他の情報手段を通じて、政党や候補者に関する情報や公約を十分に知ることが欠かせない。
この兼ね合いの中で、今回の総選挙で政権公約(マニフェスト)の配布が初めて部分解禁されたのは、一歩前進だ。
だが、急速に普及しつつある情報手段であるインターネットの解禁は、見送られた。
ネットの解禁は「支持者に高齢者が多い政党や候補者が不利になる」などの反対論が根強かったためだ。
インターネットの世帯普及率は八割を超し、個人でも五割を超した(平成十五年版情報通信白書)。数字は携帯電話による利用を含んでいるため、高めになっているが、ネットは、いまや無視できない情報手段として定着してきている。
これまでネットの利用者は比較的若い世代に多かったのも事実だ。だが、いまや中高年層でも五十歳代の利用者は五割を超し、六十歳以上でも16%に達している。
二十、三十歳代では、それぞれ85%を超えているのだ。選挙の公平性は守らねばならないが、これだけ普及した情報手段を選挙に活用しないのでは、逆に時代に、ふさわしい候補者選びが、しにくいともいわれよう。
今回の政権公約でも、各党の発行した正式なものは印刷物より、ネットを通じて読んだという有権者の方が数としては多いともいわれる。
現在の公選法はネットに関して違反かどうかの灰色部分が多い。前回の総選挙では、期間中、自分のホームページを真っ白にして違反を避け、音声だけを流した候補者もいた。以前から電話による選挙運動が認められているのに、ならったものだ。
今回の選挙でも、ネット活用を目指す候補者は違反を避ける工夫で頭が痛いはずだ。
米、英、韓国などでは選挙でネットが盛んに利用されている。日本はすでにネット先進国だ。まもなく始まる日本の総選挙は各政党や候補の活動を通じ、ネット利用の是非を考えるよい機会となるに違いない。
http://www.tokyo-np.co.jp/00/sha/20031027/col_____sha_____003.shtml