2003年10月26日(日) 00時00分

集合住宅に家賃振込先変更のニセ文書（朝日新聞・）

詐欺未遂の疑い　県警捜査

　「家主が代わり、家賃の振込先を変更します」。そんな内容の文書＝写真＝が、福岡市や久留米市の賃貸マンションやアパートの郵便受けに、大量に投げ込まれている。実際には家主が交代した事実はなく、県警は家賃をだまし取ろうとした架空請求事件として詐欺未遂の疑いで調べるとともに、注意を呼び掛けている。

　２１日夜、福岡市南区の賃貸マンションの集合ポストに、「重要」の印鑑が押された封筒が一斉に投げ込まれた。差出人は大阪市北区の「山本興産」という会社。不審に思った住民が県警に届けた。このマンションには１２通が配られていた。

　文書は「当マンションのオーナーが代わり、山本興産が管理することになりました」「１１月分からの家賃等の振り込みは下記新口座へ変更になります」と、佐賀市の信用金庫に開設した社長「山本恵子」名義の口座に振り込むよう指示。「振り込み確認ができない場合は、契約の解除または遅延損害金をいただく」としている。

　久留米市でも２２日までに１１０通を超える同じ文書が、七つの賃貸マンションに配られていた。大牟田市や佐賀市でも複数が見つかっている。

　久留米市で見つかった文書の振込先は佐賀市の銀行支店の口座で、指定された信用金庫と銀行は２２日、被害を防ぐため、それぞれ該当の口座を凍結し、入出金を停止した。県警などによると、これまで家賃を振り込んだ例はなく、実害は出ていないという。

　各地の消費生活センターによると、文書にある山本興産の連絡先に電話しても誰も出ず、実体は不明という。（10/26）

http://mytown.asahi.com/fukuoka/news01.asp?kiji=5408