2003年10月26日(日) 06時11分
日テレ視聴率買収 制作費流用?(スポーツニッポン)
日本テレビの視聴率の不正操作発覚から一夜明けた25日、同局には視聴者から抗議の電話やメールが殺到した。前日24日夜から25日午後までの集計で、反響は350件以上。同局では27日から外部の有識者らを含めた調査委員会を設置し、事実関係の解明を急ぐ。不正操作を行ったバラエティー系の男性プロデューサー・A氏(41)については、事実関係の調査を踏まえて処分が行われる見通しだ。前代未聞の視聴率買収で、失われた信頼回復への道は険しそうだ。
金品による視聴率の買収というかつてない不祥事発覚に、東京・汐留の日本テレビ本社には、前日24日夜からの抗議、苦情が沈静化することなく続いた。午後10時30分までの集計で、同局には電話で258件、メールで334件の抗議が殺到。「視聴者を裏切る行為だ」「だまされた気分だ」「不信感が募っている」といった怒りの声が大半を占めたが、「内部調査をしっかり進めてほしい」と、再発防止を望む意見もあったという。
日本テレビでは週明けの27日、調査委員会を正式に立ち上げる。同局の原章取締役を委員長に、弁護士ら外部の有識者を含めた10人以上で構成。社内からは広報部長のほか、報道局で事件を担当する社会部記者も加わり、多角的に事実関係を検証する。その結果をもとに、A氏本人をはじめ、関係者の処分を決める方針だ。
A氏にはこの日休暇が与えられ、24日まで行われた聴取の内容を自ら報告書にまとめ、一両日中に提出するように指示された。これまでの聴取では、A氏は探偵社経由でビデオリサーチの調査サンプル世帯を割り出し、探偵社に1世帯あたり10万円の報酬を支払った。割り出した計12〜13世帯のうち、番組視聴の依頼を承諾した世帯に5000〜1万円を商品券や現金で渡したことなどが判明している。
これまでにかかった“買収費用”は総額で150万円を超えるとみられる。A氏は聴取に対し「自費で支払った。通帳を調べてくれてもいい」と話しているというが、日テレ関係者は「一社員が払うには大きすぎる額」とも指摘。買収に制作費が流用された可能性も否定できず、今後の調査で実態を明らかにしていく。(スポーツニッポン)
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