2003年10月25日(土) 15時09分
<「有栖川宮」詐欺>案内状に「高円宮」の名悪用(毎日新聞)
断絶した皇族、有栖川宮家の後継者を装った詐欺事件で、有栖川識仁(さとひと)を名乗った北野康行容疑者(41)らは、結婚披露パーティーを開いたビルが昨秋、スカッシュの練習中に高円宮さまが急死した場所だったことを悪用し、招待状に「(式場は)親王が愛した場所」と“宣伝”していたことが分かった。警視庁公安部は、皇族との印象を強めて多数の出席者を集めようとしたとみている。
調べでは、北野、新婦役を務めた坂本晴美(45)とイベント企画会社役員、楠信也(42)の3容疑者は当初、都内の複数の高級ホテルでパーティーを計画。目黒区内の高級ホテルのケースでは「最高のホテルで開催できる」と周囲に話し、招待状を送付していた。ところが、北野容疑者が当時、政治団体「日本青年社」の名誉総裁だったことから、混乱を恐れたホテル側が利用を断ったという。
このため、楠容疑者が会員だった港区のカナダ大使館が入居するビル内の会員制クラブに会場を変更し、再度、案内状を送付した。その際、式場変更の理由は明かさず、代わりに高円宮さまに触れて「高円宮憲仁親王の愛した場所で有栖川記念奉祝晩餐(ばんさん)会を行うことになりました」などと説明していた。
北野、坂本両容疑者は毎日新聞の取材に「同じ場所で式を開くことは高円宮さまのご不幸を記憶することにもなるはず」と話していた。【石原聖】(毎日新聞)
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20031025-00001056-mai-soci