2003年10月25日(土) 00時00分

トリクロロエチレン 新たに２１本の井戸から 牛久市　最高で基準値の４６倍 （東京新聞）

　牛久市牛久町の家庭用飲用井戸からトリクロロエチレンなどの有機塩素系溶剤が検出された問題で、県生活衛生課などは二十四日、同町で新たに二十一本の井戸から、最高で基準値の約四十六倍のトリクロロエチレンが検出されたと発表した。同課は「高い濃度だが、今のところ健康被害はない」と話している。

　県は今月中旬、最初に基準値（一リットル当たり〇・〇三ミリグラム）の十倍のトリクロロエチレンが検出された井戸の半径二百五十メートル圏内で、井戸七十九本の水質を検査。二十一本でトリクロロエチレンが、二本で四塩化炭素（基準値同〇・〇〇二ミリグラム）が、一本でテトラクロロエチレン（同〇・〇一ミリグラム）が基準を超えていた。

　牛久市は近く、二百五十−五百メートル圏内で約十本の井戸を水質検査する予定。県は検査結果を住民に知らせ、二百五十メートル圏内の金属機械加工会社などを聞き取り調査し、原因究明を急いでいる。

　有機塩素系溶剤は金属洗浄に使われ、大量に摂取すると肝機能障害やがんを引き起こすという。県はこれまでに、二百五十メートル圏内で九十本、二百五十−五百メートル圏内で二十本の井戸を検査。三十三本で基準値を超える溶剤が検出された。

　　（小林　孝一郎）

http://www.tokyo-np.co.jp/00/ibg/20031025/lcl_____ibg_____002.shtml