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ヤミ金融の撲滅と被害救済に取り組む「全国ヤミ金融対策会議」の代表幹事、宇都宮健児弁護士は「ヤミ金融の被害は依然として増えている」と指摘する。罰則が強化された改正出資法・貸金業規制法が一部施行された9月以降、弁護士や司法書士の活動が手薄な地方で被害が増えている。
今年6月14日、執ような取り立てを苦に「悪徳業者のため悔やしいですが死にます」との遺書を残して、大阪府八尾市の夫婦ら3人が心中した。全国クレジット・サラ金被害者連絡協議会の調べによると、その後も取り立てを苦にした自殺は後を絶たない。判明しただけでも十数人にのぼり、大阪府の4人、東京の3人を含め、愛媛、福岡、石川、神奈川、宮城など地方にも及んでいる。
同協議会によると、このうち神奈川県の70歳の無職男性は8月13日、自宅マンションで首をつった。そばには「ヤミ金融との話し合いに疲れた」なとどする遺書が残されていた。男性は息子に土木建築業を譲り、がんの治療に専念していた。銀行などから約1600万円、ヤミ金業者8社から計110万円の総額約1700万円の借金を抱えていた。銀行などの借金は自己破産で返済を免れたが、ヤミ金の取り立てはしつこかった。
同協議会の本多良男事務局長は「改正法施行は一定の効果があったが、ヤミ金融を本当に撲滅するなら警察の取り締まりだけでなく、警察と都道府県、弁護士・司法書士会や被害者の会が一緒になり、各行政単位でヤミ金融対策会議を作らなくてはだめだ」と指摘する。【田中義宏】
[毎日新聞10月24日] ( 2003-10-24-14:00 )
http://www.mainichi.co.jp/news/flash/shakai/20031024k0000e040072000c.html