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2003年10月24日(金) 16時44分

「ヤミ金の帝王」巨額上納で異例の優遇?…山口組捜索読売新聞

 山口組五菱会系ヤミ金融グループの出資法違反事件で、警視庁などの合同捜査本部は、約1年に及ぶ長期捜査を経て、ついに“本丸”である山口組総本部(神戸市灘区)への強制捜査にこぎ着けた。

 五菱会の前身は山口組系の3次団体だったが、昨年秋、2次団体に昇格した。捜査本部では、異例の昇格の背景に、ヤミ金融で得た巨額収益の上納があったとみており、捜索で押収した資料の分析で、山口組の上納システムの解明も進める。

 関係者によると、バブルが崩壊し、暴力団の多くが不動産売買などによる資金源を失う中、いち早くヤミ金融に目をつけたのが、「ヤミ金の帝王」と呼ばれた同グループ最高責任者の梶山進被告(54)だったという。梶山被告は、3年ほど前から、多重債務者の名簿屋が登場し始めたのをきっかけに、ダイレクトメールや電話の勧誘で顧客を集める現在のヤミ金融スタイルを考案、昨年秋ごろまでには、傘下に数百店舗を置くヤミ金融グループに拡大させた。

 一方、梶山被告が所属していた山口組系3次団体「陣内組」は、昨年秋、2次団体「美尾組」の組長が病気で引退したのを機に、美尾組を引き継ぐ形で、2次団体「五菱会」に昇格した。それまで、梶山被告は陣内組の副組長だったが、五菱会への昇格と同時に、一切の暴力団の名簿からの記載がなくなった。警視庁では、摘発を逃れるため、組からの脱退を偽装したとみている。

 捜査本部によると、「五菱会」の名前は、「五代目山口組」の「五」と、山口組の代紋「山菱」の「菱」を取って、山口組の渡辺芳則組長が命名したとされる。捜査本部では、山口組内で優遇された背景には、陣内組がヤミ金融で得た巨額資金を山口組総本部に上納していたことがあったとみている。(読売新聞)

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20031024-00000206-yom-soci