2003年10月24日(金) 11時45分
タイヤ脱落死傷事故、三菱自工本社など捜索(読売新聞)
三菱自工本社前で三菱ふそうトラック・バス株式会社のコメントを発表する広報担当者=右
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横浜市瀬谷区で昨年1月、県道を走行中の大型トレーラーのタイヤが外れ、母子3人が死傷した事故で、神奈川県警の捜査本部は24日午前、業務上過失致死傷の疑いで、トレーラーを製造した「三菱自動車工業」(本社・東京都港区)の本社など3か所の捜索を始めた。
客のクレームやリコール情報を隠ぺいしたとして、2000年に警視庁の強制捜査を受けた三菱自工の製品安全管理体制をめぐり、責任追及の動きが再び本格化した。
捜索を受けているのは、三菱自工本社のほか、「三菱ふそうトラック・バス」(今年1月、三菱自工から分社)の喜連川研究所(栃木県喜連川町)と川崎製作所(川崎市中原区)。
捜査本部は<1>2001年12月までに、全国で発生した大型車のタイヤ脱落事故37件うち、約86・5%の32件が三菱自工製だった<2>そのほとんどの原因が、車軸の周りの「ハブ」と呼ばれる特殊鋼製部品の破損だった——ことなどに注目。
さらに、三菱自工関係者への事情聴取で、過去の事故について、社内の安全管理部門(本社)、設計部門(喜連川研究所)、製造部門(川崎製作所)で十分な情報交換が行われず、ハブの構造的な欠陥が事故原因として疑われながら、事実上放置された疑いの高いことが浮上。捜査本部は、これら“人為的ミス”が今回の重大事故につながったとの見方を強めている。
捜査本部は、警察庁の科学警察研究所(科警研)に破損したハブの鑑定を依頼しており、ハブの鑑定結果や今回の押収資料などから、ハブの欠損と事故の因果関係を詳細に詰めるとともに、同社の安全管理や責任体制の問題点などについて解明を急ぐ。(読売新聞)
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20031024-00000004-yom-soci