2003年10月24日(金) 03時06分
<ヤミ金融事件>山口組総本部を本格捜査へ 警視庁など(毎日新聞)
指定暴力団山口組五菱会による組織的ヤミ金融事件で、警視庁と5県警の合同捜査本部は24日にも、神戸市灘区の五代目山口組総本部に対して出資法違反(高金利)容疑で本格捜査に乗り出す方針を固めた。同会系貸金業総括経営者、梶山進被告(54)=同法違反の罪で起訴=らを中心に行われていたヤミ金融の収益が五菱会を通じて山口組に上納されていたとみており、資金の流れの解明を進める。
捜査本部は、昨年9月に五菱会系のヤミ金融業者逮捕をきっかけに、実態解明を進めてきた。同会が傘下に複数のヤミ金融グループを抱え、多重債務者に不法な高金利で貸し付け、違法な収益を吸い上げる組織を作り上げていた実態を突き止めた。
捜査本部は今年8月、「ヤミ金の帝王」と呼ばれ、この組織を統括していた梶山被告を逮捕。その後、2度、再逮捕し、五菱会や山口組総本部の組織的な関与を知る中心的な人物とみて追及してきたが、依然として供述を拒んでいる。
このため捜査本部は、梶山被告らが集めた数百億円ともみられる不法な収益の流れの解明には、8月の五菱会本部の家宅捜索に続き、山口組総本部への本格捜査が不可欠と判断した。
これまでの調べでは、五菱会は昨年10月、前身の美尾組組長の引退を機に同組傘下の3次団体・陣内組の組長だった高木康男会長が地盤を引き継ぐ形で発足。五菱会の名称は、五代目山口組の「五」と山口組の紋章「山菱」から名付けられたといわれ、ヤミ金融で得た巨額の資金力や上納金で2次団体に引き上げられたとみられている。【田中義宏】(毎日新聞)
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