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2003年10月24日(金) 00時00分

五菱会ヤミ金 山口組本部 強制捜査へ 出資法違反容疑 東京新聞

 指定暴力団山口組五菱会によるヤミ金融事件で、巨額の収益金が同会から山口組総本部(神戸市・渡辺芳則組長)に流れていた疑いが強いことが二十三日、警視庁と愛知、広島県警などの合同捜査本部の調べで分かった。捜査本部は資金の流れの全容解明に向け、出資法違反(高金利)容疑で総本部事務所を家宅捜索する方針を固めた。

 五菱会のヤミ金融事件捜査は、構成員約一万七千九百人、四十五都道府県に勢力を広げる日本最大の暴力団・山口組の中枢へと発展した。

 これまでの調べでは、山口組二次団体の五菱会が関与するヤミ金融は約千店舗。同会の実質ナンバー2、梶山進被告(54)=出資法違反罪で起訴=の指示を受けて、組員らが「社長」となって二十−三十店舗からなる店舗グループを経営するピラミッド構造になっていた。

 合同捜査本部が摘発したグループは各店舗に年間三億円以上の売り上げがあり、各店の店長から社長を通じて梶山被告に送金されていた。この一部が、五菱会を通じて山口組総本部に上納され、有力な資金源になっていたとみられている。

 合同捜査本部は、梶山被告の自宅や五菱会総本部(静岡市)、同会東京事務所などを家宅捜索し、押収資料の分析を進めてきた。

 その結果、各店舗の収益は、各店長が現金のままグループを束ねる組員らに持参していたことが判明。銀行口座の解析による追跡が難しいほか、梶山被告が具体的な供述を避けていることから、捜査本部は資金の流れの解明には山口組総本部の家宅捜索が不可欠と判断したもようだ。

 警察庁のまとめによると、今年上半期のヤミ金融の被害額は約百七十三億六千六百万円(昨年一年間約百五十九億円)。摘発された事件二百二十九件のうち、約四分の一の五十六件に暴力団が関与しており、有力な資金源となっている実態が明らかになっている。


http://www.tokyo-np.co.jp/00/sya/20031024/mng_____sya_____011.shtml