2003年10月23日(木) 03時34分
<「有栖川宮」詐欺>北野容疑者、マルチ商法に加担か(毎日新聞)
断絶した宮家の後継者を装った詐欺事件で、有栖川識仁(さとひと)を名乗った北野康行容疑者(41)の京都市内の自宅マンションの家賃を昨年、経営破たんした宝石販売会社「グランドキャピタル」(東京都新宿区)が負担していたことが分かった。同社をめぐっては、出資法違反容疑で告訴状が提出されている。北野容疑者は同社のグループ企業の役員に就いており、警視庁公安部は北野容疑者がマルチまがい商法に加担していたとみている。
関係者の証言では、北野容疑者の自宅マンションは01年8月、グランドキャピタルが契約し1年1カ月にわたって家賃月18万円を払っていた。同社は大家に「宮様を後援している会社だ。宮様が京都に来たときに使う」と説明していた。
グランドキャピタルは「宝石を購入すれば、高配当を受けられる」などと出資を募り、全国1600人の会員から約50億円を集めたとされ、昨年10月、東京地裁で破産宣告を受けた。約250人の会員が計約20億円の被害を訴え、東京都と大分県で被害弁護団を結成した。大分県の弁護団が今年2月、警視庁などに告訴状を提出している。
同社の関連企業「蘇生回帰」(現・八紘一宇)の登記簿には、北野容疑者が有栖川識仁の名前で役員に登録されている。同社は神機水(かんながらのみず)という銘柄の水の販売元。ラベルには「宮内庁献上品」「有栖川識仁書」などと書かれていた。
この水の総発売元は、宮崎県にある神社に教育施設を建設するために設立された「神社崇敬奉賛会」という団体で、北野容疑者が総裁を務めていた。グランドキャピタルは01年2月、この神社を訪ねるツアーを企画。「元皇族」との触れ込みで参加した北野容疑者やペルーのフジモリ元大統領が同行し、約160人の会員らが参加した。【石原聖、鈴木泰広】(毎日新聞)
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20031023-00000142-mai-soci