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調査は八月から十月にかけ、首都圏の大学の付属病院十カ所で、「院内の飲食店の禁煙状況」「喫煙室の密閉性」について行った。
それによると、禁煙席がある店でも多くは分煙が不完全で、込み合う時間は一般飲食店と同様の高い粉じん濃度だった。たばこを吸う場所が限られる病院では、院内の飲食店が喫煙所代わりになることが多いという。
喫煙室は、ドアで完全に空気を遮断するタイプでも、人の出入りのたびに廊下に煙が漏れていた。ドアのない「喫煙エリア」では周囲への煙漏れがさらに多く、法定基準(一立方メートルあたり〇・一五ミリグラム)を上回る所もあった。ストレッチャーに乗せられた救急患者がたばこの煙の中を運ばれるケースもあったという。
米国など先進諸国では医療機関の敷地内禁煙は常識になっている。日本でも健康増進法施行を機に全国の病院で禁煙化の動きが見え始めたが、国際的に見るとまだ遅れているという。
調査を行った東大国際地域保健学教室の中田ゆりさんは「健康リスク要因のうち喫煙は予防可能なものの代表例で、禁じなければ病院は医療機関の使命を果たしているといえない。病院や医師は害を教えなくてはならないのに、まだまだ喫煙容認の風潮が大きいのは問題だ」と話している。
http://www.tokyo-np.co.jp/00/sya/20031023/mng_____sya_____009.shtml