2003年10月22日(水) 15時05分
<「有栖川宮」詐欺>祝儀でもめる 夫婦役、分け前80万円(毎日新聞)
断絶した皇族有栖川宮家の後継者を装い、結婚披露パーティーで祝儀をだまし取った詐欺事件で、有栖川識仁(さとひと)を名乗った北野康行容疑者(41)と新婦役の坂本晴美容疑者(45)の2人と、パーティーを企画したイベント企画会社役員、楠信也容疑者(42)との間で、集めた現金約1200万円の取り分をめぐってトラブルになっていたことが分かった。
警視庁公安部の調べでは、3容疑者は4月6日の結婚披露パーティーで、出席した約400人から祝儀として約1200万円を集めた。5000円から最高で30万円を出した参加者もいた。
逮捕前の毎日新聞の取材に、北野、坂本両容疑者は「手元には約80万円しか残らなかった。もっと祝儀が多いはず」と不満を漏らした。会計を担当していた楠容疑者に収支の説明を求め、弁護士を通じて交渉するトラブルになっていた。
北野容疑者らは名刺交換しただけの人たち約2000人に招待状を送付し、約400人を集めた。会場となったクラブは「本来なら200人が適正な規模」と説明している。3容疑者は、式場利用料や食費代などに約650万円、パーティーの企画料などに約480万円の経費がかかり「ほとんど利益は出ていない」などと供述しているという。しかし、ある参加者は「式は立食形式でクラッカーなど簡単なものが多く、会場はすし詰め状態。経費がかかっているようには見えなかった」と話している。
公安部は3容疑者が大勢を集める一方、経費を切り詰めて「収益」を上げようとしたとみて、取り分を含めて金の流れの裏付け捜査を進めている。【石原聖】(毎日新聞)
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20031022-00001071-mai-soci