悪のニュース記事

悪のニュース記事では、消費者問題、宗教問題、ネット事件に関する記事を収集しています。関連するニュースを見つけた方は、登録してください。

また、記事に対するコメントや追加情報を投稿することが出来ます。

記事登録
2003年10月21日(火) 00時00分

有栖川宮“新郎”ら逮捕…十二単サギの中身夜はオカマバーで「麿じゃ」ZAKZAK


「殿下」と名乗った男(左)と「妃殿下」を称した女(右) 大正時代に断絶した皇族「有栖川宮(ありすがわのみや)」を名乗り、タレントの石田純一さん(49)らを招いて、ド派手な結婚パーティーを開催、祝儀などを詐取したとして警視庁公安部は21日、「有栖川宮識(さと)仁(ひと)」と称した北野康行(41)と、新婦となっていた元女子アナを自称する無職の坂本晴美(45)ら3容疑者を詐欺容疑で逮捕した。いかにも怪しい古典的詐欺を演出した男たちの事件を徹底追跡した。


疑惑の“式”で配られた引き出物 【詐欺の大挙式】

 調べだと、北野容疑者らは今年4月6日、東京・赤坂のカナダ大使館地下のパーティー会場で、「有栖川宮記念奉祝晩餐会」なる名称で、結婚披露宴を開催。招待客に本物の旧皇族夫妻と信じ込ませ、高額の祝儀や、夫妻の記念写真まで1枚1万円で売りつけ、代金を詐取した疑い。

 関係者によると、3人は面識のあった約1000人に招待状を送り、式には約400人が出席。北野容疑者は陸軍大将の大礼服、晴美容疑者は十二単の姿で登場した。


披露宴には石田さん(左)と伊東さん(右)が出席した 出席者は「“有名人”では、石田さんやデーブ・スペクター夫人、羽柴誠三秀吉さんがいた。会場が何部屋にも分かれた立食式パーティーで、別室の儀式がモニター中継されたが、夫妻の近くに袈裟姿の坊さんがいたので『ヘンだな』と思った」と振り返る。

 古典的詐欺にひっかかってしまったエスパー伊東さんは「料理も安っぽく、引き出物はなぜかバウムクーヘン。祝儀を3万円包んだが、だまされたなら、それなりに価値があったと思う」と苦笑する。

 会場ではブロマイドなどグッズも販売、「引き出物には有栖川宮家の家紋と酷似した印の入った皿を配るなどしていた。1人当たり数万から10万円を集め、被害額は約1200万円に及ぶ」(捜査関係者)。

 【被害続出】

 北野容疑者周辺には、別の詐欺疑惑も浮上する。

 「とにかくけしからん」と憤るのは天孫降臨伝説で名高い宮崎県高原町の高天ケ原神社管主、田中千宗氏。10数年前、福祉事業を計画していた田中氏に、北野容疑者が「協力したい」と接近。田中氏は「皇族の方と聞き、信頼した」と事業の名誉総裁に迎え入れた。

 その後、北野容疑者は東京などに事務所を設置し、一口1万〜2万円で会員を募集。有栖川家の“お印”と神社の紋を併記し、会員ツアーやグッズ販売を開始した。

 「3年前、事業を援助する役場に『40億円を寄進する』と言いつつ、何の報告もない。集めた金の行方もわからない。神社と有栖川宮の名にだまされた人も多いと思い、警察に資料を提出した」(田中氏)

 【ナゾの容疑者】

 北野容疑者は何者なのか。披露宴で配布された文書には「威仁親王(大正2年崩御)の継嗣がなく、祭祀(さいし)は高松宮宣仁親王に継承され、識仁殿下が御遺徳を継承」とあるが、宮内庁は当然、「皇族でないことは明確」と断言。

 前出の田中氏は「取り巻きばかりがしゃべり、本人は黙っていた」。一方、知人からは「昼はダンマリだが、夜はオカマバーに出現し、『麿じゃ』などと冗舌だった」なる証言も…。

 北野容疑者は平成2年、「有栖川宮記念」なる政治団体を設立、自ら代表を名乗った。だが、政治資金収支報告書の収支項目にはゼロが並び、活動実体はほとんどないとみられる。また、今月1日に退任するまで、有栖川の名で右翼団体の名誉総裁に就任していた。

 【ワイドショーで反論?!】

 渦中の“夫妻”はワイドショーの取材に「詐欺ではない」と反論。スポークスマン役で、元女子アナを自称する晴美容疑者が「自殺を考えるくらいノイローゼ状態となった。詐欺にあったという話は聞いていない」と主張すれば、北野容疑者も「私の親が有栖川家の外戚で、(名前は)親からいただいた」などと話していたが、同部の聴取には「有栖川と言っただけで有栖川宮とは名乗っていない」などと供述していた。

ZAKZAK 2003/10/21

http://www.zakzak.co.jp/top/t-2003_10/1t2003102116.html