2003年10月21日(火) 01時39分
「激しい取り立てで夫が自殺」告訴受けヤミ金業者逮捕(読売新聞)
神奈川県警悪質金融事犯取締推進本部と山手署などは20日、東京都杉並区高円寺北、ヤミ金融業者「アルコフィナンシャル」(東京都台東区)経営坂田純容疑者(23)と同社従業員の小柳太一(24)、内山貴司(23)両容疑者の3人を出資法違反(高金利)の疑いで逮捕した。
同社を巡っては、横浜市中区の男性(当時70歳)が違法な高金利で金を貸し付けられたうえ、激しい取り立てを受けて自殺したとして、妻(71)が8月、山手署に告訴していた。
調べによると、坂田容疑者らは昨年5月から今年8月にかけて、この男性を含む東京都内や神奈川県内在住の9人に計176万2000円を貸し付け、法定利息(年29・2%以内)の12—141倍にあたる利息計121万3000円を取り立てた疑い。
坂田容疑者らは多重債務者の名簿を入手して関東1円に融資を持ちかけるダイレクトメールを発送。坂田容疑者ら名義の銀行口座には、昨年4月から今年9月までに約1000人から計約2億2000万円の入金があったことが確認されており、県警で被害の全容解明を進める。
自殺した男性は今年5月、手数料名目で5000円を天引きされた4万5000円をアルコフィナンシャルから借り、1週間後、法定利息を大幅に上回る金利2万円を取り立てられた。その後、「契約内容が出資法に違反するため、債務が存在しない」とする通知書を同社に送ったところ、8月11日、内山容疑者とみられる男が自宅に押し掛け、約1時間にわたって「借りたものは返せ」と迫るなどしたという。
男性は2日後の8月13日、自宅で首をつって自殺。自宅からは「ヤミ金におわれると思うと、生きたきもちになりません」などと書かれた遺書が見つかったという。
告訴した男性の妻は、ヤミ金問題の被害者救済に当たっている全国クレジット・サラ金被害者連絡協議会(東京都大田区)を通じて、「ヤミ金被害をなくすために勇気を持って告訴したことが逮捕につながってうれしい」とコメントした。(読売新聞)
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20031020-00000414-yom-soci