2003年10月19日(日) 00時00分
ヤミ金融対策進む(朝日新聞・)
違法な高金利や厳しい取り立てで社会問題化しているヤミ金融への対策が県内でも進んできた。県警は8月末、「ヤミ金融事犯集中取締本部」(本部長=石川哲・生活安全部長)を設置。取り締まりを強めるとともに「安易に利用しないで」と呼びかけている。
8月27日の本部設置以来、県警は高金利での貸し付けや悪質な取り立てをした疑いで16人を逮捕した。うち7人は暴力団員や関係者で、中には法定の約300倍の利息を取っていた業者もあったという。
出資法違反(高金利)の疑いで逮捕された東京の業者「ユートピア」の場合、全国の多重債務者を携帯メールや電話などで勧誘。県警が把握しているだけでも、千人以上から計1億数千万円を口座に振り込ませていた。携帯電話だけで営業する「090金融」と呼ばれる方式で、家族や知人などにも返済を迫っていたという。
取り立て方法も悪質。福岡の暴力団員(24)は「子どもを売れ」「内臓や角膜を売れ」などと脅したとして恐喝未遂の疑いで県警に逮捕された。金の流れも複雑で全容は解明できていないが、暴力団の資金源になっている疑いもあるという。
ヤミ金融事件は▽電話でのやりとりのみで契約書などの証拠が残されていない▽業者が東京など遠方にあり、事務所や電話番号を次々と変える、など捜査は難しく、捜査員が関東に出張し、1週間公園で寝泊まりして張り込んだこともあるという。それでも「被害者がいる限り、厳しく取り締まる」と花本公明・県警生活保安課長。
金融被害の相談を受け付けるNPO法人「大分まなびの会」(097・534・8174)によると、ヤミ金融に関する相談が増え始めたのは2、3年前から。「他県と比べ警察の動きは遅かったが、警察が動くと抑止力になる」と理事の遠藤和男・司法書士。
相談者は多重債務者がほとんど。「なぜこんなものを信じるのかというような広告を信じて金を借りてしまう。取り立てで精神的に追いつめられていることも一因。ヤミ金は人を壊してしまう犯罪」と遠藤さんは話す。
(10/19)
http://mytown.asahi.com/oita/news02.asp?kiji=3525
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