2003年10月19日(日) 00時00分
安吾をデジタル化、長男がネット構想(朝日新聞・)
新潟出身の無頼派作家・坂口安吾(1906〜1955)の誕生祭が18日、新潟市内で開かれた。基調講演した安吾の長男で写真家の坂口綱男さん(50)=東京都在住=は、遺品のすべてをインターネット上で公開するバーチャル「安吾ミュージアム」構想を明らかにした。続くシンポジウムでは「坂口安吾文学館」建設の是非が話し合われたが、綱男さんは「安吾が生きていたら、やめてくれと言うだろう。ハコだけつくって、それきり埋もれさせたくない」と語った。
新潟市芸術文化振興財団と新津市文化振興財団の主催。
「安吾ミュージアム」を進めるために綱男さんは、自らが管理している生原稿や蔵書、眼鏡などの遺品すべてを坂口家ゆかりの新津市の市美術館にあつめ、資料整理のうえでデジタル化する。
安吾生誕100年が06年に控えていることから、安吾の会の鈴木良一氏は「安吾の精神を体現するものができればいい」と話している。
またバーチャルミュージアム構想とは別に、安吾文学館の建設を望む声が会場から出た。
シンポのパネリストとして招かれた金沢市文化施設整備室の岡田宜之室長は、「ハコモノと言われるとしても、拠点をつくることは重要。拠点があってこそさまざまな情報が集積する」と意見を述べた。
主催者の一人、湯田幸永・新津市長は「安吾の遺品をぜひ生かしたいが、詳細は新・新潟市が誕生してから」と言葉を添えて会を締めくくった。
(10/19)
http://mytown.asahi.com/niigata/news02.asp?kiji=5023
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