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28日の公示を前に事実上の運動が始まっている総選挙。今回から政党がマニフェスト(政権公約)の冊子を配布することが認められたが、米国や英国、韓国などで認められているインターネットによる選挙運動は禁止されたままだ。国民の2人に1人がインターネットを利用するIT(情報技術)時代だというのに、政党側の思惑も絡み、解禁の見通しは立っていない。
公職選挙法は使用できる「文書図画」の範囲を限定しており、画像を使っての選挙運動は違法になる。同法が文書図画を制限しているのは、金のかかる選挙を防ぐという狙いからだが、インターネットは紙代、印刷代、人件費がかかる紙媒体ほど費用はかからない。そもそも公選法には選挙運動費の上限額も定められており、インターネットにお金をかけすぎるとは考えにくい。
総務省は「IT時代だからインターネットで選挙運動できるようにすべきだ」(片山前総務相)、「誹謗(ひぼう)中傷の掲示さえ防げれば、やった方がいいと思う」(麻生総務相)と2代の閣僚が前向きで、解禁論が強い。
片山前総務相時代には「IT時代の選挙運動に関する研究会」(座長・蒲島郁夫東大教授)を立ち上げ、昨年8月に報告書をまとめた。報告書は、インターネット選挙の解禁について不正使用や費用の問題など「解決しなければならない問題点も多い」としながらも、「候補者情報の充実、政治参加の促進、金のかからない選挙の実現など計り知れない効果が期待できる」と評価。電子メールについては(1)有権者に料金負担を伴う迷惑メールが送られる可能性がある(2)候補者になりすましてでたらめなメールを送る者がいた場合、ホームページ(HP)と違って追跡が困難、などの理由で解禁を見送った。しかし、HPは「選挙運動手段として活用すべきである」とした。
ただ、議員の身分にかかわる法改正には慣例的に各党の合意が必要とされる。総務省は昨年末、報告書の説明会などを通じて各党に議論を促したが、自民党は反対論が多く、民主党も関心は低かったという。
反対する自民党の幹部は「インターネットを使えないお年寄りの支持者が多い党には著しく不利になる」と話す。IT政策には理解を示す若手議員にも反対派が少なくない。
民主党も一部ベテラン議員に慎重論がある上、自民党との協議でインターネットよりもマニフェスト配布を実現させることを優先させてきた。
インターネット選挙の解禁を唱える民主党前職の島聡総務局長は、前回の総選挙中、自分のHPを真っ白な画面にし、音声だけで政策を訴えた。今回は政策PRなど30秒間の音声だけの電子メールを送る予定という。(10/18 23:59)